ウェブ全体 Xeneサイト内
Xene Satellite
2001年4月

ムッカ・パッツァで消える名物料理
by 坂口まり (ヴィツェンツァ在住)


ローマ名物パイアータ(牛の腸料理)や、ポピュラーなチェルベッロ・フリット(牛の脳みそのフライ)がイタリアの食卓から姿を消し、フィレンツェ名物の豪快なTボーンステーキも、この3月に販売禁止になってしまった。理由は、今やヨーロッパ中に蔓延している狂牛病=ムッカ・パッツァ=パニック。
九〇年に英国で起こった第一次狂牛病パニックの際は「対岸の火事」とばかりに、イギリスからの食肉輸入を禁止した程度だった。が、今回は感染源とされている動物性飼料の製造と使用の禁止、また一月一日付で国内産の成牛に対する検査を決定。その結旺、イタリア国内でも十件の感染例が発見された。EUでは狂牛病の原因とされるプリオンというたんぱく質が特に多く含まれる、脳、脊髄、舌、脾臓、胸腺、腸といった部唖の販売を規制するように各国に呼びかけている。
牛の脳みそ料理はトロリとした触感で上質のあん肝のような味わいがある。また、豪快な骨付きステーキを口にできないのは淋しい。ニュースによると、フィレンツェではTボーンステーキを惜しむ「お葬式」が行われたくらいである。

元来、根が楽天的なイタリア人消費者の反応は、『おいしいものは死んでも食べ続けるさ』とか『私はもともとパッツァ(クレイジー)だから、平気よ』などと強気な人が多い。だが、「狂牛病の犠牲者、最終的には二〇万人以上か 」などというニュースが流れる中、牛肉を口にするにはよほどの勇気が必要だ。国内消費が四〇%以上も落ち込んでいることや、精肉店のおやじさんの暗い表情を見ると事態の深刻さがうかがわれる。広場で焼肉を無料でふるまうなど懸命の努力を重ねている牛肉業界だが、追い討ちをかけるように世界的に大流行し始めた口蹄疫とのダブルパンチで先行きは暗いようだ。
さて、そんな中、活気付いているのが牛肉以外の精肉市場。食の国のイタリアだけあって、以前から豚、鶏はもちろん、ウサギ、馬、七蔓鳥なども食卓ではお馴染みだが、ここに来てその消費裏がグンと伸びている。特に注目はダチョウ。見た目も味も牛肉に似ていて、栄養価も高い。肉だけでなく皮はバッグや靴になるし、羽は服飾やインテリアに、タマゴの殻は装飾品として利用できるところも人気なのである。
最後に、簡単でおいしい我が家のおすすめレシピをご紹介しよう。

【 ダチョウのサフラン風味 】

1 ダチョウのモモ薄切り肉三〇〇gに塩、こしょうをして小麦粉をまぶし、バター大さじ1とサラダ油大さじ2をひいたフライパンで焼き色をつける
2 大さじ3杯の水にサフラン少々を加え、数秒間沸騰させる。
3 肉を取り出したフライパンの中に、2を加え、よくかき混ぜながら沸騰させる。
4 再び肉を加え、ソースにとろみがついたらできあがり。バターライス、茹でジャガイモなどシンプルな付けあわせと一緒に熱いうちにどうぞ。



 
株式会社ジーン Xene Inc.
〒060-0061 札幌市中央区南1条西11丁目327 王子不動産札幌ビル1F
Tel: 011-272-0757 / Fax: 011-272-0758
URL: www.xene.net / www.xenemag.net / E-mail: web@xene.net

Copyright © 2005-2006 Xene Inc. All rights reserved.
掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。