Xene Satellite
2000年10月
サバイバルゲームに熱くなるアメリカ人
by オースティン・勢津子(フロリダ在住)
『サバイバー』を耳にしたことがあるだろうか? 全米で視聴率四〇%を超えた、CBSの超人気TV番組である。一般応募者の中から選び出した十六人を無人島に送り、サバイバル生活の三日目毎に〈彼ら〉に投票を行わせ、落選者を島から追い出す。最終日まで残り続けた「サバイバー」には百万ドル(約一億円!)の賞金が進呈されるというショー番組だ。視聴者は原始的な生活を余儀なくされた彼らの悪戦苦闘ぶりや人間関係を見ながら、今日は誰が落選するのか?
誰が百万ドルを獲得するのか? と、テレビの前に釘付けになるのだ。
さて、『サバイバー』にやや負けてはいるものの、全米中が注目しているサバイバルゲームがもう一つ。アメリカ最大規模のサバイバルゲーム=『大統領選』である。候補者はメディアの批判やおちょくりに耐え、献金をかき集め、いかに国民の支持を得、そして生き残るかという試練に挑戦している。
◎「悪い成績は暴露される」
大統領候補者ともなると、ハーバードやエール等、名門大学を卒業している人がほとんどだが、メディアは当時の成績表まで発表。ブッシュ候補はエール大学を「平均C」で卒業。優秀とはとても言えない成績で米国民も唖然となった。三十二年前の成績がどれくらいの価値があるか難しいところではある。日本の総理の成績がどうだったか気になるのは私だけであろうか?
◎「笑いものになる」
選挙メディアのどん欲さ、それはもう日本のワイドショーなみ。今回は有力候補のアル・ゴア現副大統領と、四十一代大統領ブッシュの息子ジョージ・ブッシュに集中した。トークショーやコメディ番組にいたっては、無表情と言われるゴアをロボット扱いしたり、ブッシュのコカイン疑惑をネタにしたジョークの連発。
◎「ウソはばれる」
一方、候補者の言動の監視には抜け目がない。ゴア候補が医療問題の身近な例として、彼の犬用の三倍の値段で義母の関節炎の薬を買っているという話をした。しかし、彼の家には犬がいない事が明らかになり、ひんしゅくを買う事になった。
◎「体力が問われる」
そんなアメリカでは、健康を証明するには診断書の公開が一番とされる。元首は国内外の勤めもあり、かなりの体力を必要とする。有能な人を選んでも、どこかの国のように亡くなってしまっては元も子もないのは確かだ。
さて、在米日本人の私にとって投票自体は無関係。だが、今回我が家ではしょっぱなから盛り上がった。七十五歳になる義祖母のン十年も昔の元カレ、マケイン氏が候補にあがったからだ(彼は、献金が上手く集められず辞退する事になったのだが・・・)。それはともかく、ゴアとブッシュの一騎打ちはかなりの接戦だ。予想のつき難いものほど興味をそそるものはない。どちらが「サバイバー」となるか楽しみである。
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